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INTERVIEW

自分のお金を使って成功してこそ、よりよい提案ができる

2019年に創業した株式会社Libertyship(リバティシップ)。EC専門のPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)を主な事業とする同社が新たに乗り出しのが、純国産のサウナブランド「ONESAUNA(ワンサウナ)」です。
今回は、リバティシップの代表である揚松に、なぜサウナ事業に乗り出したのか?その理由や背景について聞きました。

ワンサウナは「ハミダシ学園」からスタートした

-まずは、なぜワンサウナに挑戦しようと思ったのか、その経緯から聞かせてください。

揚松:もともとワンサウナは、私たちが運営している「ハミダシ学園」というオンラインコミュニティから起ち上がったプロジェクトでした。プロジェクトを可視化して、それを事業化するということがコミュニティの取り組みなのですが、その中から生まれたアイデアがワンサウナです。現在では私たちリバティシップを象徴するサービスとして展開し始めています。

-リバティシップではPMOが主な事業ですが、今回どうして自社で新しいプロジェクトを開発し取り組もうと考えたのでしょうか?

揚松:これまでPMの仕事では、クライアントワークがメインで、クライアントのお金・資産を使ってプロジェクトを成功に導くことがミッションでした。一方で、多くのお客様とご一緒させていただく中で、自分たちでプロジェクトを起ち上げてグロースさせていくことを実績として経験していなかった。そこに自分の中ですごく引っかかりを感じていました。

そうした経験があれば、結果としてPMの仕事でもお客様に返せるものも多くなっていくのではなかと。自分のお金を使って成功してこそ、よりよい提案ができると考え、自社のプロダクトを持って販売することを決意しました。

タイミングとして上手くマッチしてくれた

-ハミダシ学園のプロジェクトは複数あるとお聞きしましたが、なぜワンサウナをリバティシップが主導したのでしょうか?

揚松:ハミダシ学園にはさまざまプロジェクトがあるのですが、たくさんあるアイデアの種を、実際に形にしていくにはプロジェクトオーナーのような「誰が推進役を担うのか?」という部分が重要になってきます。

今回ワンサウナを事業化できたのは、リバティシップでPMを専門に取り組んでいた経験があり、どうすればプロジェクトを展開できるのか、人を巻き込んでいけるのか、というノウハウを持っていたことが大きかったと感じています。

それから、新規事業で大切なのは、良いポジショニングにいて大きな波が来た時にきちんと波に乗れるのか、という点も重要だと思っています。方向や力の加減、タイミングといったすべてのベクトルが合わないと、事業を軌道に乗せることはできません。

今回はサウナブームという大きな時流があり、そこに対して良いポジショニングは取れていました。そこから波に乗るために、いかに尖ったアイデアで、スピーディーかつ、ストーリー性のあるプロダクトを提供できるのか、という点がポイントでした。

今回はそのすべてがタイミングとして上手くマッチしてくれたと考えています。

-伺っていると、ワンサウナの事業ではWILL(やりたいこと)・CAN(できること)・MUST(やるべきこと)が揃っているように感じます。

揚松:その通りですね。リバティシップができる範囲で、サウナというやりたいことをする。そして宮崎の林業や人々にとっては、やるべき事業だと捉えられるかもしれません。タイミングや時期、トレンドがとてもマッチしていたと思います。

それから、人に恵まれたのは幸運でした。ものづくりをするときには、協力してくれる人の存在によって事業の推移も変化してきます。そこに関して今回はとても力強い味方に恵まれたと、自分でも感じています。

-最後に、クライアントワークとの違いついてメリットとデメリットを聞かせてください。

揚松:メリットとしては、意思決定が自分達で行えるのでプロジェクト進行のスピードが速い点が挙げられます。その分PDCAのサイクルも早く回すことができました。例えば、見積り1つでも、共通言語ができるているパートナーと進められる点はメリットですね。結果として、ワンサウナの事業も構想から販売までわずか半年で辿りつくことができました。

デメリットを挙げるとすれば、お金やリソースの部分でリスクを取りながらやらなければならない点でしょうか。ただ、その分成功したときのリターンも大きくなるのかな、と感じます。

EC専門のPMOを担ってきた企業が、サウナ事業に乗り出すと聞くと誰もが驚きを感じます。しかし、揚松の語る「自分のお金を使って成功してこそ、よりよい提案ができる」という言葉を聞けば、なぜ自社プロダクトを販売する大きなチャレンジに乗り出したのか、その真意を窺い知ることができます。

それぞれの事業が「個」として独立するだけなく、相互に良い影響を与えあうサイクルが、リバティシップが企業として成長する原動力となっています。

Author. 揚松 晴也 /