国産のサウナブランド「ONESAUNA(ワンサウナ)」を展開するリバティシップですが、実はサウナ事業以外にも以前から温め続けていたサービスが存在します。
今回はリバティシップが展開するレンタカーサービス「TRIP BASE(トリップベース)」に焦点を当てながら、事業をスタートした経緯や今後の展望について伺います。
副業第一号としてスタートした事業
ーまずはトリップベースのサービスと事業をスタートした経緯から聞かせてください
揚松:トリップベースは、前職のアラタナ時代に副業が解禁されたタイミングで、副業第一号としてスタートした事業です。もともとキャンプが好きで、キャンピングカーで旅をしたいという思いを持っていました。一方で地方の宮崎ではこうしたサービスがない、というマーケットの状況を見ながら「レンタカーサービスを事業化できるのでは?」と考えたことがきっかけでした。
ー副業というスタイルですが、実際に経験して得られたものも大きかったのではないですか?
揚松:はい。副業といえども個人事業になるので、すべてのタスクを自分でこなさなければなりません。会計処理や資金調達、PLの読み方や許認可の申請、法律面にいたるまで、すべてを自分で取り組む必要があります。
ただ振り返ると、この副業に取り組んだおかげで成長することができましたし、今があるなと。そこで身に付けたノウハウのおかげで、リバティシップを立ち上げる準備が出来上がっていました。今の時代はきちんと調べればナレッジは落ちています。最初から人任せにせず、自分で挑戦したことが身になっている印象です。
サラリーマンは最強
ー日本でも副業を許可する会社が増えています
揚松:副業に挑戦するチャンスあるなら、ぜひトライして欲しいなと。そこから得られた経験は、本業にフィードバックすることもできますし、将来起業をするという選択肢にもなり得ます。僕の場合は、自分が取り組んだことのない分野に挑戦したことで、大きく成長することができ、リバティシップを立ち上げることができました。
そういう意味では、副業で夢を掴む準備をする「したたかさ」を持つことも大切な気がします。
誤解を恐れずに言えば「サラリーマンは最強」だと思っています。本業できちんと成果を出していれば、収入を得ながらリスクを抑えて副業に挑戦することができる。トライする環境と、思いがあるなら、ぜひ挑戦して欲しいですね。
ーさて、今後トリップベースの事業自体をリバティシップに取り込もうと構想されているとお聞きしました。その狙いを伺えますか?
揚松:トリップベースという言葉は日本語で「旅の拠点」という意味があります。トリップベース○○(例:トリップベース青島)という構想で、各地に旅の拠点になる移動手段や滞在場所を提供するというのが事業の目的でした。
その3年後にリバティシップを起業したのですが、そのときに掲げたビジョンが「好きな場所で、好きな人と、好きな仕事をする」というものでした。つまり「旅するように働く」ということ。これはよくよく考えてみるとトリップベースの事業そのものだなと。ならば、トリップベースもリバティシップの事業に取り込むことで、より力を注いでいくのが自然な流れだと考えました。
それから、コロナ禍の影響を受けてワーケーションやリモートワークが当たり前になった世の中で、トリップベースの事業はマーケットとして価値が上がってきているという面も理由の1つです。
ーでは最後に、今後の展望をお聞かせください
揚松:「旅するように働く」ということを達成する上で何が必要か考えたときに、まず移動手段が必要になるなと。公共の交通機関はありますが、やはりラストワンマイルを運ぶためのモビリティは不可欠です。それから、旅した先で泊まる場所や仕事ができる環境を用意しなければなりません。また、旅先でのアクティビティの存在も大切です。
こうした条件が揃ってはじめて「旅するように働く」ことができると考えています。具体的には、現在宮崎の青島で「青島ビーチビレッジ」という事業が進んでいますが、そこにトリップベースとしてシェアオフィスを展開する予定です。また、レンタカーで移動手段を提供できると考えています。青島ビーチビレッジには滞在施設やアクティビティ、飲食施設などが展開されるので、そこに自分たちがワークスペースやモビリティの部分を提供できればと考えています。
揚松の話を伺っていると、副業という選択肢には大きな可能性があることが分かります。実際本業では得られない経験やノウハウを得たことが、リバティシップを立ち上げるきっかけを与えてくれました。
国内での副業に対してのイメージはまだまだ発展途上の段階。だからこそ、『副業で夢を掴む準備をする「したたかさ」を持つ』という言葉には、これからの時代を歩むビジネスパーソンへのヒントが詰まっています。